2008.11.22

不倫の惑星  パメラ・ドラッカーマン

  不倫の惑星  パメラ・ドラッカーマン  早川書房


カテゴリだけ作って何も書いてなかったツッコミ・ロマンスをちょっとは活用しかと思いまして。

なんなのこのタイトルは??と訝しく思われそうですが、もちろんロマンス小説ではありませんwアメリカの女性ジャーナリストが各国不倫事情を独自に調査して書き上げたものです。
私も含めてロマンス小説はファンの方は程度の差はあれ、不倫はよくない!!と大半の方が思ってらっしゃるかと推察します。実際の行動はわかりませんが、フィクションの中でも不倫はいや!!と思えばこそ、一組の男女が真実の愛を見つけ結ばれる物語をわざわざ読んでるんですから。
しかし不倫もまたロマンスのひとつの形といえるでしょう。ロマンス小説にもたまに不倫関係から始まるカップルが登場しますね。たいてい評判悪いですけどw
では世界中で不倫が罪とされているかというと、実はそうでもない。ということが本書の主眼です。なんと日本も登場しますwですが、ここはロマンスファンのブログなので、あくまでロマンス小説と関係がありそうなところを、ご紹介しようと思います。

本書にはいろんな国が登場しますが、ロマンス小説的に重要なのは著者の母国アメリカでしょう。ロマンス小説に限ったことではないですが、翻訳作品を読んでいると、日本人にはちょっと理解しがたい各国独自のルールや暗黙の了解事項も出会うことがありますよね。この作品では不倫に迫っていますが、不倫に対するアメリカ人の考え方は裏を返せば結婚観に直結してるといえます。
まずアメリカでは(日本人が想像する以上に)不倫に対して罪の意識が高い。不倫なんてとんでもない、というのがごく一般的な価値観。では不倫なんて存在しないかというとそんな訳ないのですが、アメリカ人の場合不倫したほうが強い罪悪感を抱くという。自分は不倫するような人間じゃないのに・・・と思い悩むとか。
へぇ、ちょっと意外じゃないですか。
著者がいうには、それは国の成り立ちと宗教のなせる業ではとのこと。国家の成り立ちはともかく、宗教の力は大きいでしょうね。結婚というのは単に人間が愛し合って決めたことではなく、神が決めたことだから。不倫は配偶者だけでなく、神への裏切りにもなるということに。
アメリカ人て進歩的なイメージがあるかと思いますが、実際はすごく保守的な面が強いですからね。そして結婚と家族に対してものすごく過大な期待を抱いてるようにも見えます。そういえばロマンスの主人公たちも失敗した結婚に対して、「結婚の誓いは神聖」「結婚は一生続くものだと思っていた」とか言ってますね。あれってロマンスの主人公にありがちなロマンティック思考じゃなくてアメリカ人全般にある考え方だったんですね。
当然不倫が発覚したら重大な裏切りとみなされ即離婚につながる可能性が高い。しかし結婚の続行を選択した場合、ここからが非常にアメリカ的で、カウセリングの出番。実際アメリカではこの手の結婚産業がかなり発展しているようで、精神科医や心理学者はもとより、一般の不倫経験夫婦までがその経験を元に活動してるとか。
そこで何が提唱されているかというと、夫婦はすべて正直に話し合わねばならないのだから、当然不倫の詳細も語る必要がある。
聞きたい気持ちはわからんでもないですが、日本では知らぬが仏っていいますよね。離婚するなら聞いて気持ちにけりをつけるのもありでしょうが、やり直すなら聞かないほうがいいのでは・・・??最も日本の夫婦は不倫に限らず話し合うということが出来ないことが多いですが。
この夫婦は秘密を持たずになんでも話し合うべき、というアメリカ的信仰はロマンス小説にもかなり影響を及ぼしてますね。すべてを明らかにしてくれるまでは、心を開いてくれるまでは結婚できない!!よくある台詞ですね。実際は夫婦でも言えない事ってあるんじゃないかなー。不倫みたいな裏切り行為じゃなくても。

不倫じゃないですが、アメリカ人は真剣交際の前段階では複数の相手と交際してもいいらしい。そんな話をどこかで聞きましたが、事実のようです。真剣交際の前っていっても肉体関係ありの場合だってあるんですよ。ちなみこのアメリカ方式はどこの国でも不評だと著者は語っています。日本人だって嫌です、そんなの。交際していく過程でいちいちこれが真剣なものかどうか話し合ってるのは多分アメリカ人くらいでは。これもロマンス小説によく出てくるなー。「彼は二人の関係が真剣なものだなんて一言もいってないわ・・・よよ」てな感じでw

堅苦しいことは一切なく、面白いコラムといった内容なので興味をそそられた方は、ぜひ読んでみてください。ロシアが不倫大国だったり、実はフランス人はそれほど浮気者じゃなかったり、意外な発見があります。ちなみに日本は男性は風俗に走り、女性はヨン様(!!)に熱を上げているって書いてありますw突っ込みたいところはありますが、確かに日本の一面には違いないですね。