2008.12.03
満ち潮の誘惑 アマンダ・クイック
満ち潮の誘惑 アマンダ・クイック ヴィレッジブックス
他の本もたまっているんですがどうも食指が動かず、私にとっては安心印のアマンダ・クイックを先に読んでしまいました。最近のクレンツ(クイック)は大きくはずすことがないし、おかしな地雷もないし、奇をてらった設定もないのでいらん心配をせずに読めます。
ヒロインは化石の発掘と研究が趣味の牧師の娘。母親は何年も前に他界し、化石のすばらしさを教えてくれた父親も亡くなり、今は叔母と妹の3人暮らしをしている。ヒロインは自分が採掘をしている海沿いの洞窟が盗品の保管場所になっていることに気付く。思うように採掘できないヒロインは、地元の領主である子爵・ヒーローに手紙を送って呼び出した。ヒーローはおかしな手紙に引かれて長らく放っておいた領地にやってきてヒロインに会う。ヒロインの話が事実だと知ったヒーローは早速捜査と盗賊の捕獲を計画するが、ヒロインは何かとその計画に加わろうとするのだった。
すごく定番な感じでしたね。人々に嫌われるアウトローヒーローとそんな彼を信頼し深い愛情で包み込むちょっと浮世離れしたヒロイン。ヒーローが信頼をひどく大事に考えているのも、ヒロインにメロメロなくせに愛していることに気付くのかが遅いこととか。ヒロインが独立心旺盛で世間なんてものともしないことや、変わった研究に熱中していることなど。すべてがクイックの定石ですが、それでいてちゃんとおもしろい。ロマンス小説にはこういう安心感も必要だわー。
ヒーローは6年前婚約者が妊娠したまま自殺するという事件に巻き込まれ、婚約者をもてあそんだあ挙句に捨てた男というレッテルを張られ、社交界はもとより両親にまで身の潔白を信じてもらえず親子は疎遠になっています。
ヒロインはもうすぐ25歳になりますが、美しい妹を社交界デヴューさせることは考えても、自分は一生化石の研究を続けたいと考えています。ヒロインはかなり強気で口が達者、子爵であるヒーローにもまるで物怖じせず、がんがん食って掛かっていきます。ヒーローが危ないから止めろといってもまるで聞いていません。ちょっと危機意識に欠ける気がしないでもない・・・。とはいえ本当は傷ついているのに半ば捨て鉢になって露悪的に見せるヒーローの切ない心情を理解し、彼を侮辱する人間にきっぱりと言い返す姿はまさしくクイック・ヒロインの面目躍如です。今回は舞踏会の最中に飛び掛ったりしてるしw自分を襲ってきた男を自ら撃退したり、なかなか肉体派なヒロインなのです。
ヒーロー両親はきっちり謝るべきじゃないのー??肝心なときに息子のこと信じなかったくせに。親子だからってなあなあで済ませちゃいかんとこでしょう、そこは。
ヒロインの身内はわりとまともでしたね。美人で現実的な妹の話も読みたいですが、ないでしょうね。
ヒーローメロメロ度80
他の本もたまっているんですがどうも食指が動かず、私にとっては安心印のアマンダ・クイックを先に読んでしまいました。最近のクレンツ(クイック)は大きくはずすことがないし、おかしな地雷もないし、奇をてらった設定もないのでいらん心配をせずに読めます。
ヒロインは化石の発掘と研究が趣味の牧師の娘。母親は何年も前に他界し、化石のすばらしさを教えてくれた父親も亡くなり、今は叔母と妹の3人暮らしをしている。ヒロインは自分が採掘をしている海沿いの洞窟が盗品の保管場所になっていることに気付く。思うように採掘できないヒロインは、地元の領主である子爵・ヒーローに手紙を送って呼び出した。ヒーローはおかしな手紙に引かれて長らく放っておいた領地にやってきてヒロインに会う。ヒロインの話が事実だと知ったヒーローは早速捜査と盗賊の捕獲を計画するが、ヒロインは何かとその計画に加わろうとするのだった。
すごく定番な感じでしたね。人々に嫌われるアウトローヒーローとそんな彼を信頼し深い愛情で包み込むちょっと浮世離れしたヒロイン。ヒーローが信頼をひどく大事に考えているのも、ヒロインにメロメロなくせに愛していることに気付くのかが遅いこととか。ヒロインが独立心旺盛で世間なんてものともしないことや、変わった研究に熱中していることなど。すべてがクイックの定石ですが、それでいてちゃんとおもしろい。ロマンス小説にはこういう安心感も必要だわー。
ヒーローは6年前婚約者が妊娠したまま自殺するという事件に巻き込まれ、婚約者をもてあそんだあ挙句に捨てた男というレッテルを張られ、社交界はもとより両親にまで身の潔白を信じてもらえず親子は疎遠になっています。
ヒロインはもうすぐ25歳になりますが、美しい妹を社交界デヴューさせることは考えても、自分は一生化石の研究を続けたいと考えています。ヒロインはかなり強気で口が達者、子爵であるヒーローにもまるで物怖じせず、がんがん食って掛かっていきます。ヒーローが危ないから止めろといってもまるで聞いていません。ちょっと危機意識に欠ける気がしないでもない・・・。とはいえ本当は傷ついているのに半ば捨て鉢になって露悪的に見せるヒーローの切ない心情を理解し、彼を侮辱する人間にきっぱりと言い返す姿はまさしくクイック・ヒロインの面目躍如です。今回は舞踏会の最中に飛び掛ったりしてるしw自分を襲ってきた男を自ら撃退したり、なかなか肉体派なヒロインなのです。
ヒーロー両親はきっちり謝るべきじゃないのー??肝心なときに息子のこと信じなかったくせに。親子だからってなあなあで済ませちゃいかんとこでしょう、そこは。
ヒロインの身内はわりとまともでしたね。美人で現実的な妹の話も読みたいですが、ないでしょうね。
ヒーローメロメロ度80
2008.10.13
連れ戻された婚約者 ジェイン・アン・クレンツ
連れ戻された婚約者(HA−62) ジェイン・アン・クレンツ
アフロディーテは表紙が写真なんですけど、なんというかもう少し作品の雰囲気と合わせたものしてほしいですね。この本の表紙の男性モデルはいかにも若くてクレンツのヒーロー像と全然合っていません。写真はHQ社自前のものなんですかね。今のところダブってるという話は聞かないですが。写真にしろ絵にしろ表紙のダブリって作品の質とは何の関係もないですけれど、癇に障るというか、いらっとしますよね。編集のやる気のなさを見せ付けられている、そんな気がするのです。
ヒロインは小さな町に生まれ育ち、両親亡き後大学を中退してまだ世話の焼ける弟たちの面倒を見てどうにか大学に入学するまでに育て上げた。これからやっと自分の人生を歩もうと思った矢先に近所に住む牧場主・ヒーローからプロポーズされた。ヒーローはヒロインが苦労して弟たちを世話している間ずっと友情を示してくれていたが、彼の真の目的はヒロインを妻にすることだった。情熱に流されベッドをともにしたもののいきなり結婚することに不安を感じたヒロインは1年間一人で都会暮らしをしたいと申し出て、ヒーローはこれをしぶしぶ受け入れた。ヒロインとしては1年の間にヒーローの気も変わるだろうと思っていたが、ヒーローは約束どおりきっかり1年後ヒロインを迎えに来た。
これまたとんでもなく保守的なヒーローの登場です。どうしてロマンスのヒーローってヒロインにとっての最善が何か自分が一番良くわかっているって思い込めるんでしょう。どんなにメロメロなヒーローでもその傲慢な考え方には賛成できません。
ヒーローはヒロインがホームシックにかかってすぐに帰ってくるだろうと高をくくっていましたがあに図らんやすっかり都会暮らしに馴染んだヒロインと再会することになります。でもヒロインの幸せは自分と結婚して牧場で暮らすことだと確信しているヒーローはヒロインを説き伏せて連れ帰ります。
そんなに強引に事を運んでいるくせに、ヒロインの評判を気にして一緒の家にいるのにわざわざ部屋を別にして結婚するまで待とうとするヒーローはちょっと可愛いw
ヒロインは自分がヒーローの望むような妻になれないし、何よりようやく責任から開放されたばかりなのにすぐに別の責任を負うことに不安を感じています。しかし一方でヒーローに惹かれる気持ちを抑えることも出来ずに悩みます。とはいえヒロインのほうはしっかりしたもので、ヒーロー宅に付いてからは自分の居場所を築こうと気持ちを切り替えています。ヒロインは概ねいつもの安定したしっかりモノタイプでしたね。
原書は1987年と昔のクレンツ作品らしく、信頼と誠実さの重要性をヒーローが得々と語っています。ヒーローは例によって妻に裏切られているので再婚に当たっての最重要項目に挙げられているのですが、結婚相手に君と結婚するのは誠実で信頼できるからだって言われるのちょっと乙女心としては微妙じゃないですか??そりゃあ信頼関係は大事ですけど、ヒーローの言い草だとそれだけしかないみたいな感じだ。ヒロインに惚れてるくせに自分から愛してるとは言えないクレンツ・ヒーローなのであった・・・。
強引でワンマンなヒーローではありますが、ヒロインと結婚しようと必死なところは大変可愛いし、なんだかんだとヒロインの言い分を受け入れてるし、もしかしたら自分は間違っていたのかもと立ち止まるだけの器量もあるので、全体的には好感の持てるヒーローでした。
しかし少し前にもありましたし、クレンツにもこれだけ牧場物があったんですね。多作な作家だからまだまだ埋もれた作品もあるのかもw最近出版される機会が多いから楽しみです。
ヒーローメロメロ度85
アフロディーテは表紙が写真なんですけど、なんというかもう少し作品の雰囲気と合わせたものしてほしいですね。この本の表紙の男性モデルはいかにも若くてクレンツのヒーロー像と全然合っていません。写真はHQ社自前のものなんですかね。今のところダブってるという話は聞かないですが。写真にしろ絵にしろ表紙のダブリって作品の質とは何の関係もないですけれど、癇に障るというか、いらっとしますよね。編集のやる気のなさを見せ付けられている、そんな気がするのです。
ヒロインは小さな町に生まれ育ち、両親亡き後大学を中退してまだ世話の焼ける弟たちの面倒を見てどうにか大学に入学するまでに育て上げた。これからやっと自分の人生を歩もうと思った矢先に近所に住む牧場主・ヒーローからプロポーズされた。ヒーローはヒロインが苦労して弟たちを世話している間ずっと友情を示してくれていたが、彼の真の目的はヒロインを妻にすることだった。情熱に流されベッドをともにしたもののいきなり結婚することに不安を感じたヒロインは1年間一人で都会暮らしをしたいと申し出て、ヒーローはこれをしぶしぶ受け入れた。ヒロインとしては1年の間にヒーローの気も変わるだろうと思っていたが、ヒーローは約束どおりきっかり1年後ヒロインを迎えに来た。
これまたとんでもなく保守的なヒーローの登場です。どうしてロマンスのヒーローってヒロインにとっての最善が何か自分が一番良くわかっているって思い込めるんでしょう。どんなにメロメロなヒーローでもその傲慢な考え方には賛成できません。
ヒーローはヒロインがホームシックにかかってすぐに帰ってくるだろうと高をくくっていましたがあに図らんやすっかり都会暮らしに馴染んだヒロインと再会することになります。でもヒロインの幸せは自分と結婚して牧場で暮らすことだと確信しているヒーローはヒロインを説き伏せて連れ帰ります。
そんなに強引に事を運んでいるくせに、ヒロインの評判を気にして一緒の家にいるのにわざわざ部屋を別にして結婚するまで待とうとするヒーローはちょっと可愛いw
ヒロインは自分がヒーローの望むような妻になれないし、何よりようやく責任から開放されたばかりなのにすぐに別の責任を負うことに不安を感じています。しかし一方でヒーローに惹かれる気持ちを抑えることも出来ずに悩みます。とはいえヒロインのほうはしっかりしたもので、ヒーロー宅に付いてからは自分の居場所を築こうと気持ちを切り替えています。ヒロインは概ねいつもの安定したしっかりモノタイプでしたね。
原書は1987年と昔のクレンツ作品らしく、信頼と誠実さの重要性をヒーローが得々と語っています。ヒーローは例によって妻に裏切られているので再婚に当たっての最重要項目に挙げられているのですが、結婚相手に君と結婚するのは誠実で信頼できるからだって言われるのちょっと乙女心としては微妙じゃないですか??そりゃあ信頼関係は大事ですけど、ヒーローの言い草だとそれだけしかないみたいな感じだ。ヒロインに惚れてるくせに自分から愛してるとは言えないクレンツ・ヒーローなのであった・・・。
強引でワンマンなヒーローではありますが、ヒロインと結婚しようと必死なところは大変可愛いし、なんだかんだとヒロインの言い分を受け入れてるし、もしかしたら自分は間違っていたのかもと立ち止まるだけの器量もあるので、全体的には好感の持てるヒーローでした。
しかし少し前にもありましたし、クレンツにもこれだけ牧場物があったんですね。多作な作家だからまだまだ埋もれた作品もあるのかもw最近出版される機会が多いから楽しみです。
ヒーローメロメロ度85
2008.10.01
冷めない愛 ステファニー・ジェイムズ
冷めない愛(D−14) ステファニー・ジェイムズ
更新が滞っています。10月はもうちょっとガンバ・・・れたらいいな。何ででしょう、読書の秋になるといまひとつ読書熱が後退します。
ヒロインは生まれ育った町で図書館司書として働いていたが、それまでの無味乾燥した生活に嫌気が差し、仕事も家も捨て新しい車を買って旅に出た。最初の予定地はワシントン州の沖合いに浮かぶ島。そこでホテルについているコテージをひと夏借りたヒロインは、ホテルのオーナーであるヒーローから、ヒロインこれからの方針に散々けちををつけられる。
ヒーローが鬱陶しすぎる・・・。ステファニー名義だけに覚悟はしていましたが。予想とは違う方向に傲慢さに溢れたヒーローです。いつもだと、ヒロインに一目ぼれしてかなり強引に口説き落として関係を持つっていうパターンが多いのですが、今回のヒーローはベッドに関してはかなりやせ我慢というか、忍耐力を見せています。でもねー、問題はそこじゃあないわけです。
大体来たばっかりの客のプライバシーにあれこれ干渉しすぎだよ、このヒーロー。自分はこのホテルをやる運命みたいなこと言ってますが、接客業としてなってないじゃん!!
ヒロインは小さな大学の町で生まれ育ち、ずっといい子でいたタイプ。若くして医者の卵と結婚したものの相手はヒロインに学費を出させて一人前の医者になった途端浮気相手に乗り換えてしまった。いつもいい子でみんなの言うことを聞いて世間体を大事にしてきた人生に嫌気がさしたヒロインは、これからはやりたいようにやるのよ!!と意気込んでいます。
一方ヒーローは祖父母が経営するホテルで子供のころから遊んでいて将来的には後を継ぐ予定だったものの、実際に仕事を始めてみると祖父と衝突し一度はホテルを出ますが、祖父の死後一通り世間を見て再び戻ってきました。
ヒーローはかつての自分と同じように半ばやけっぱちに世の中に飛び出して行こうとするヒロインを何が何でも引き止めて自分のものにしようとします。それはまあいいんですよ。愛する女性を手に入れようと頑張ってるんですから。一目惚れで客であるヒロインに居丈高に指図するのはかなり鬱陶しいですが、ロマンスのヒーローなんて大概こんなもんですから。でも、やり方というか、発想が傲慢なんですよ。ヒーローはヒロインがこれからしようとしていることを既に自分がやって結果はわかってるんだからやる必要はない、とこうですよ。いくら他人がすごい経験をしようとそれは他人の経験であって自分の経験にはならないだろうがっ。邯鄲の枕を仙人でもない凡夫の身の上でやろうとするなっつーの。
しかし昔の作品ゆえでしょうか、ていうかロマンス小説だから当然といえば当然のことなんですが、最終的にはヒーローの主張が通るわけです。今のクレンツが書いたらさすがにこんな展開ではないと思いますが。ロマンス小説って、時に女性の覚醒を描くこともあるんですが、最終的には家庭に戻る(結婚)という結論があるためやはり限界がありますね。
ただヒロインがやろうとしていた奔放な計画自体が、ヒロインの世間知らずを物語っているというか、自分の性格を把握してから方向を決めたほうがいいじゃないですか??と突っ込みたくなる様な代物。それゆえヒーローの強引なやり方も、ロマンス的に解釈可能です。
やっぱりステファニー名義は微妙です。
ヒーローメロメロ度85
更新が滞っています。10月はもうちょっとガンバ・・・れたらいいな。何ででしょう、読書の秋になるといまひとつ読書熱が後退します。
ヒロインは生まれ育った町で図書館司書として働いていたが、それまでの無味乾燥した生活に嫌気が差し、仕事も家も捨て新しい車を買って旅に出た。最初の予定地はワシントン州の沖合いに浮かぶ島。そこでホテルについているコテージをひと夏借りたヒロインは、ホテルのオーナーであるヒーローから、ヒロインこれからの方針に散々けちををつけられる。
ヒーローが鬱陶しすぎる・・・。ステファニー名義だけに覚悟はしていましたが。予想とは違う方向に傲慢さに溢れたヒーローです。いつもだと、ヒロインに一目ぼれしてかなり強引に口説き落として関係を持つっていうパターンが多いのですが、今回のヒーローはベッドに関してはかなりやせ我慢というか、忍耐力を見せています。でもねー、問題はそこじゃあないわけです。
大体来たばっかりの客のプライバシーにあれこれ干渉しすぎだよ、このヒーロー。自分はこのホテルをやる運命みたいなこと言ってますが、接客業としてなってないじゃん!!
ヒロインは小さな大学の町で生まれ育ち、ずっといい子でいたタイプ。若くして医者の卵と結婚したものの相手はヒロインに学費を出させて一人前の医者になった途端浮気相手に乗り換えてしまった。いつもいい子でみんなの言うことを聞いて世間体を大事にしてきた人生に嫌気がさしたヒロインは、これからはやりたいようにやるのよ!!と意気込んでいます。
一方ヒーローは祖父母が経営するホテルで子供のころから遊んでいて将来的には後を継ぐ予定だったものの、実際に仕事を始めてみると祖父と衝突し一度はホテルを出ますが、祖父の死後一通り世間を見て再び戻ってきました。
ヒーローはかつての自分と同じように半ばやけっぱちに世の中に飛び出して行こうとするヒロインを何が何でも引き止めて自分のものにしようとします。それはまあいいんですよ。愛する女性を手に入れようと頑張ってるんですから。一目惚れで客であるヒロインに居丈高に指図するのはかなり鬱陶しいですが、ロマンスのヒーローなんて大概こんなもんですから。でも、やり方というか、発想が傲慢なんですよ。ヒーローはヒロインがこれからしようとしていることを既に自分がやって結果はわかってるんだからやる必要はない、とこうですよ。いくら他人がすごい経験をしようとそれは他人の経験であって自分の経験にはならないだろうがっ。邯鄲の枕を仙人でもない凡夫の身の上でやろうとするなっつーの。
しかし昔の作品ゆえでしょうか、ていうかロマンス小説だから当然といえば当然のことなんですが、最終的にはヒーローの主張が通るわけです。今のクレンツが書いたらさすがにこんな展開ではないと思いますが。ロマンス小説って、時に女性の覚醒を描くこともあるんですが、最終的には家庭に戻る(結婚)という結論があるためやはり限界がありますね。
ただヒロインがやろうとしていた奔放な計画自体が、ヒロインの世間知らずを物語っているというか、自分の性格を把握してから方向を決めたほうがいいじゃないですか??と突っ込みたくなる様な代物。それゆえヒーローの強引なやり方も、ロマンス的に解釈可能です。
やっぱりステファニー名義は微妙です。
ヒーローメロメロ度85
2008.08.24
悲しみのサブリナ ステファニー・ジェイムズ
悲しみのサブリナ ステファニー・ジェイムズ サンリオ・ディザイア♯80
文庫読書が進まずにいるので、再読本。クレンツの別名義になります。ステファニー・ジェイムズとクレンツの違いは明確ではありませんが、なんとなく読んだ印象だとジェイムズ名義のヒーローのほうが強引・傲慢度が高い気がします。ただ初期のクレンツはやはりけっこう傲慢度の高いヒーローがいるのでやはりそれほど差がないかも・・・>どっちなんだよ
どんな名義であろうと、クレンツ印は健在ということで。
ヒロインは大学図書館の司書。母親は離婚後女でひとつでヒロインを育てただけでなく、会社でも出世し今は大企業の重役まで上り詰めた。しかしその会社と政府の取引に不満を持つ何者かがヒロイン母娘を狙っているという。不安を感じたヒロイン母は自分とヒロインにボディガードを付けることに。ちょうど休暇を取ってハワイに行く予定のヒロインはボディガードなんて大げさすぎると思いながらも母の心配を取り除くべく承知した。そのボディガード・ヒーローはマーシャルアーツの護身術教室を開いていた。ヒロインは彼を胡散臭く思い断ろうかとも思ったが、ヒーローは強引な方法でヒロインを説得した。
クレンツ・ヒーローの魅力はアウトローでありながら見せる繊細さだと思うんですが、ジェイムズ名義のヒーローは強引さが目に付いてそうした細やかな部分が欠けている場合が多くあります。今回のヒーローは過去の傷も含めて最近のクレンツ・ヒーローに通じる繊細さと奥行きがあって合格wです。しかし一度寝たら俺のもの思考wも含めて、けっこう強引なところもあります。
ヒロインの場合、ほぼ間違いなくヒーロー以前の男にはろくでなしというのがお約束です。今回のヒロインは別れた夫はヒロインを利用するためだけに結婚し、捨てたという設定です。さらにヒロインは父親にも捨てられたという思いがあり、かなり男性不信気味です。ついでに車の運転が暴走しがちですw
クレンツは作中二人の関係を別のものにたとえるのが好きですが、今回はアーサー王伝説と中世の騎士たちにたとえています。この辺のロマンスとは関係なさそうな無駄知識が実はクレンツの作品を特徴付けているんですよね。今回は騎士と淑女の話だからロマンス向きではありますが、中にはぜんぜんつながらそうなのを強引に繋げたりすることもありますw
もうひとつポイントは信頼です。クレンツ・ヒーローの多くが過去に裏切られた経験を持っているので、作中ヒロインのヒーローに対する信頼が二人の関係の最重要項目になることが大半です。けっこうあっさり関係を持つのでその分精神面の問題が大きくなります。ヒーローは品行方正な人生を送ってきてはいませんのでなおさらですね。でもそのせいかヒーローから先にヒロインへ「愛してるという」作品を読んだことがない気がする・・・。たいていヒロインが大きな心でヒーローへの愛と信頼を表明したうえで安心してから告白ってパターン。これを繊細さと思えるか、臆病さの現われと見るかはヒーローの魅力しだいですね。今回のヒーローは自分の気持ちに対する自覚は早かったんですけど、告白はヒロインにさせてから・・・メロメロヒーローだったから許しましょう。
最初にヒロインと関係を持ったあとのヒーローの独白がとてもロマンティックて切なくて素敵です。
ヒロイン母とティーグにロマンスがあればいいのにと勝手に思いました。二人の年齢はわかりませんがwそういえばクレンツって年下ヒーローは見たことないですね。
ヒーローメロメロ度85
文庫読書が進まずにいるので、再読本。クレンツの別名義になります。ステファニー・ジェイムズとクレンツの違いは明確ではありませんが、なんとなく読んだ印象だとジェイムズ名義のヒーローのほうが強引・傲慢度が高い気がします。ただ初期のクレンツはやはりけっこう傲慢度の高いヒーローがいるのでやはりそれほど差がないかも・・・>どっちなんだよ
どんな名義であろうと、クレンツ印は健在ということで。
ヒロインは大学図書館の司書。母親は離婚後女でひとつでヒロインを育てただけでなく、会社でも出世し今は大企業の重役まで上り詰めた。しかしその会社と政府の取引に不満を持つ何者かがヒロイン母娘を狙っているという。不安を感じたヒロイン母は自分とヒロインにボディガードを付けることに。ちょうど休暇を取ってハワイに行く予定のヒロインはボディガードなんて大げさすぎると思いながらも母の心配を取り除くべく承知した。そのボディガード・ヒーローはマーシャルアーツの護身術教室を開いていた。ヒロインは彼を胡散臭く思い断ろうかとも思ったが、ヒーローは強引な方法でヒロインを説得した。
クレンツ・ヒーローの魅力はアウトローでありながら見せる繊細さだと思うんですが、ジェイムズ名義のヒーローは強引さが目に付いてそうした細やかな部分が欠けている場合が多くあります。今回のヒーローは過去の傷も含めて最近のクレンツ・ヒーローに通じる繊細さと奥行きがあって合格wです。しかし一度寝たら俺のもの思考wも含めて、けっこう強引なところもあります。
ヒロインの場合、ほぼ間違いなくヒーロー以前の男にはろくでなしというのがお約束です。今回のヒロインは別れた夫はヒロインを利用するためだけに結婚し、捨てたという設定です。さらにヒロインは父親にも捨てられたという思いがあり、かなり男性不信気味です。ついでに車の運転が暴走しがちですw
クレンツは作中二人の関係を別のものにたとえるのが好きですが、今回はアーサー王伝説と中世の騎士たちにたとえています。この辺のロマンスとは関係なさそうな無駄知識が実はクレンツの作品を特徴付けているんですよね。今回は騎士と淑女の話だからロマンス向きではありますが、中にはぜんぜんつながらそうなのを強引に繋げたりすることもありますw
もうひとつポイントは信頼です。クレンツ・ヒーローの多くが過去に裏切られた経験を持っているので、作中ヒロインのヒーローに対する信頼が二人の関係の最重要項目になることが大半です。けっこうあっさり関係を持つのでその分精神面の問題が大きくなります。ヒーローは品行方正な人生を送ってきてはいませんのでなおさらですね。でもそのせいかヒーローから先にヒロインへ「愛してるという」作品を読んだことがない気がする・・・。たいていヒロインが大きな心でヒーローへの愛と信頼を表明したうえで安心してから告白ってパターン。これを繊細さと思えるか、臆病さの現われと見るかはヒーローの魅力しだいですね。今回のヒーローは自分の気持ちに対する自覚は早かったんですけど、告白はヒロインにさせてから・・・メロメロヒーローだったから許しましょう。
最初にヒロインと関係を持ったあとのヒーローの独白がとてもロマンティックて切なくて素敵です。
ヒロイン母とティーグにロマンスがあればいいのにと勝手に思いました。二人の年齢はわかりませんがwそういえばクレンツって年下ヒーローは見たことないですね。
ヒーローメロメロ度85
2008.07.27
月夜に咲く孤独 ジェイン・A・クレンツ
月夜に咲く孤独 ジェイン・A・クレンツ MIRA
「黄昏に眠る孤独」の続編となります。クレンツはもともと多作のわりにスピンオフ作品の少ない作家ですが、完全な続編となるとこれが初めてではないでしょうか。ロマンス小説はその性質上、続編を出しにくいとは思いますが。原則としてどの作品も最後は二人は末永く幸せに暮らしましたwですから。
前作で偽装結婚し、事件解決の後も結婚を続けようと決めた精神病院から逃げ出してきたインテリアデザイナーのヒロインと、3度の結婚生活に破れた私立探偵のヒーロー。お互い惹かれあっているものの自分自身の問題を抱えたままなため新婚生活は波乱含み。ヒーローはかつて弟が殺害された月に入って気が滅入っていき、ヒロインはそんな彼を不安に思いながら自らも過去の悪夢に再びうなされている。そんな中、ヒロインの親友アルカディアの身辺に不信な動きがあり、死んだはずの夫が生きて再びアルカディアを殺そうとしているのではと、調査を開始する。
クレンツの大半の作品ではヒロインはドンと構えて右往左往するヒーローや寄生してくる身内も受け止める、出来たタイプの場合がほとんどですが、今回のヒロインは少数派ですが時々出てくる、自分自身に不安を抱えているタイプです。「運命のいたずら」なんかもこのタイプだったと思います。
主人公二人はいまだに過去の呪縛から抜け切れず、互いに相手はこの結婚を後悔しているのではと疑心暗鬼になりがちです。ヒーローは弟を助けられず、復讐も完遂することが出来なかったことや、また復讐に走ったこと自体にも葛藤があり、加えて3度の離婚を考えるとヒロインにも逃げられるのではと恐れています。
ヒロインは精神病院での悪夢にいまだ悩まされ、さらに自分が部屋に残された負の思念を感じる力をヒーローがいまだに信じていないことや、この力によっていずれ自分が正気を失うのではないかと心配しています。
お互い自分の心の中にある不安や不信を全て吐き出すことは出来ないのですが、それでもヒロインが心配してあれこれ買ってくる安全グッズや健康食品を嬉々として受け入れているヒーローが微笑ましいです。この辺のやり取りはいかにもクレンツらしくて好きです。
脇を固める二組のカップルも健在で、アルカディアとセキリュティ・コンサルタントのハリーは既に前作からラヴラヴだったような気がしますが、今回はさらに愛を深めています。アルカディアの夫が彼女の命を狙っているため、ハリーはヒーロー並の大活躍でアルカディアを救い出します。大変ヒーロー、すっかりハリーに見せ場を取られてるw
ヒーロー義妹のボニーと書店主のシングルトンは、なかなか進展せず、最後はボニーの子供たちにデートを提案されている始末。ま、一歩踏み出せばあとは問題なさそうなカップルです。普段は冷静なシングルトンがボニーに会うたび動揺しているのが可愛いですw
そのほか妻の浮気を心配する大手セキュリティ会社の経営者や、おばあちゃま探偵など楽しい脇役にも事欠きません。
事件自体はちょっとまとまりがなく盛り上がりに欠けるまま終わってしまった感がありますが、それがメインというより主人公二人の葛藤が一番問題だったのかな。
続編なのので二人がどうなるか、というどきどき感は少ないですが、いつものクレンツを堪能できる作品でした。
ヒーローメロメロ度85
「黄昏に眠る孤独」の続編となります。クレンツはもともと多作のわりにスピンオフ作品の少ない作家ですが、完全な続編となるとこれが初めてではないでしょうか。ロマンス小説はその性質上、続編を出しにくいとは思いますが。原則としてどの作品も最後は二人は末永く幸せに暮らしましたwですから。
前作で偽装結婚し、事件解決の後も結婚を続けようと決めた精神病院から逃げ出してきたインテリアデザイナーのヒロインと、3度の結婚生活に破れた私立探偵のヒーロー。お互い惹かれあっているものの自分自身の問題を抱えたままなため新婚生活は波乱含み。ヒーローはかつて弟が殺害された月に入って気が滅入っていき、ヒロインはそんな彼を不安に思いながら自らも過去の悪夢に再びうなされている。そんな中、ヒロインの親友アルカディアの身辺に不信な動きがあり、死んだはずの夫が生きて再びアルカディアを殺そうとしているのではと、調査を開始する。
クレンツの大半の作品ではヒロインはドンと構えて右往左往するヒーローや寄生してくる身内も受け止める、出来たタイプの場合がほとんどですが、今回のヒロインは少数派ですが時々出てくる、自分自身に不安を抱えているタイプです。「運命のいたずら」なんかもこのタイプだったと思います。
主人公二人はいまだに過去の呪縛から抜け切れず、互いに相手はこの結婚を後悔しているのではと疑心暗鬼になりがちです。ヒーローは弟を助けられず、復讐も完遂することが出来なかったことや、また復讐に走ったこと自体にも葛藤があり、加えて3度の離婚を考えるとヒロインにも逃げられるのではと恐れています。
ヒロインは精神病院での悪夢にいまだ悩まされ、さらに自分が部屋に残された負の思念を感じる力をヒーローがいまだに信じていないことや、この力によっていずれ自分が正気を失うのではないかと心配しています。
お互い自分の心の中にある不安や不信を全て吐き出すことは出来ないのですが、それでもヒロインが心配してあれこれ買ってくる安全グッズや健康食品を嬉々として受け入れているヒーローが微笑ましいです。この辺のやり取りはいかにもクレンツらしくて好きです。
脇を固める二組のカップルも健在で、アルカディアとセキリュティ・コンサルタントのハリーは既に前作からラヴラヴだったような気がしますが、今回はさらに愛を深めています。アルカディアの夫が彼女の命を狙っているため、ハリーはヒーロー並の大活躍でアルカディアを救い出します。大変ヒーロー、すっかりハリーに見せ場を取られてるw
ヒーロー義妹のボニーと書店主のシングルトンは、なかなか進展せず、最後はボニーの子供たちにデートを提案されている始末。ま、一歩踏み出せばあとは問題なさそうなカップルです。普段は冷静なシングルトンがボニーに会うたび動揺しているのが可愛いですw
そのほか妻の浮気を心配する大手セキュリティ会社の経営者や、おばあちゃま探偵など楽しい脇役にも事欠きません。
事件自体はちょっとまとまりがなく盛り上がりに欠けるまま終わってしまった感がありますが、それがメインというより主人公二人の葛藤が一番問題だったのかな。
続編なのので二人がどうなるか、というどきどき感は少ないですが、いつものクレンツを堪能できる作品でした。
ヒーローメロメロ度85

