2008.08.15

二人だけの会話 ジェンナ・L・ジョイス

 二人だけの会話(T−84)   ジェンナ・L・ジョイス

ざっと調べた限りでは多分この一冊しか出版されていないのではないかと思われる作家です。いやもしかしたらまだあるかもしれないですけど、確認できなかったので。この作品は文庫で再販されています。残念ですね、結構うまい作家だと思うんですけど。


ヒロインはフィジカルセラピスト。半年前から住み込みで全身麻痺状態のヒーローの治療に当たっている。ヒーローは5年ほど前大学フットボールの花形選手だったが試合中の事故で重傷を負い命は取り留めたものの重い後遺症でほとんど体を動かせず、しゃべることも出来なかった。ヒーロー母はそれでも息子はいずれ回復すると信じ設備の整ったリハビリ施設を用意し、ヒロインを雇ったのだ。
半年の治療の間に二人はヒーローの目の動きだけで会話をすることまで可能になった。ヒーローはヒロインを女性として強く意識しながらも、決して彼女を手に入れることは出来ないのだと絶望していた。ヒロインもまたヒーローに惹かれているものの、プロにあるまじき行為と考えていた。
あるときヒロインが電気治療を施そうとすると、ヒーローは強く反発、彼の口から「死んだってごめんだ!」という言葉が漏れる。奇跡が起こりヒーローは長い麻痺状態から開放された。回復したヒーローは早速ヒロインを口説きにかかるが、ヒロインはヒーローの気持ちは患者と治療者の間のものではと考え、彼を拒絶する。


怪我あるいは病気のヒーローと看病するヒロイン、よくある話ですが主人公二人が25,6歳と若いせいもあって新鮮な印象をとなっています。このタイプの話ではヒロインがヒーローの気持ちを患者が抱きがちな気持ちではと不安に思うのはお約束。実際勘違いする人は多いみたいですからね、勘違いするのも仕方ないし、医療関係の人がそういうのを警戒するのも仕方ないですね。
でも病気とはいえ25歳のヒーローに同い年ヒロインをあてがう当たり、もしかしてヒーロー母の遠謀が合ったのではないかと勘繰りたくなりますwこんな状況じゃ、意識しろといってるようなものではないかしら。
フィジカルセラピストって日本でいったら理学療法士のようなものでしょうか。ヒロインは職業意識も高いし、有能そうな感じです。でもヒーローには患者以上の気持ちを抱いてしまうのさ、だってロマンス小説だからwしかしヒーローの気持ちを信じきれないヒロインはヒーローに社会復帰を促して一度別れを告げます。
ヒーローは自分の置かれた悲惨な状況もあって短気でかんしゃくもちですが、本当のところ状況のせいというより、単なる性格の問題だと回復後よくわかりますw再会後のヒーローはかなりアホですね。迎えに来たっていえば済む話なのに、わざわざ別の女性を連れてくるなよ。オムツをして頃からの友人らしいですが、半年も住み込んでいたヒロインが何でぜんぜん知らないのさ。そんな長いお付き合いならヒーロー母のおしゃべりかあるいは写真にでも出てくるだろー。この幼馴染女性とやらはちょっと設定に無理が・・・。たいして出てこないからいいんですけど。
再会してすぐにパーティ会場からヒロインを連れ出して暗がりで誘惑するヒーロー、ヒロインがその気になった途端「いい加減にしろ!」ってなんだそれ。場所がまずいということですが、そんなの最初からわかってたことだしそもそもお前が誘ったんだろー?!翻訳がマズイのかもしれないですけど、このセリフは納得いかん。そのあともくだらない当てこすりだし。辛い経験を経て一回り大きくなったはずなんだから、もう少し考えようよヒーロー。
あと、ヒーローは回復してから再会まで長くても2年足らずなのに、「いろんな女性と付き合った、そのうち一人か二人とはベッドをともにしてもいいと思った」だそうです。ヒーローはお金持ちの跡取り息子で、途中だった学位を取ったり、父親の仕事を学び始めたりやることは山積み。そもそも5年間の空白を埋めるべく精神的にも肉体的にも非常に大変な時期にそんな余裕があったんですか、へぇーすごいね(棒読み)。もちろん、ヒロインに以外にはそんな気にはなれなかったというフォロー付ですが。ヒロインがヒーローになんだか不安を感じるのも仕方ないよね、うん。
ものすごくメロメロヒーローなんですが、若さゆえですかそこはかとなく不安を感じさせるヒーローです。再会後もヒロインが思うほど大人になったわけじゃなさそうだよ。
ヒロインの友人の医者のほうが大人って感じでかっこよく見えるw彼のスピンがあればいいのに。

ヒーローメロメロ度85