2008.07.29

7月のクリスマス ジュリー・キストラー

 7月のクリスマス (A−159)  ジュリー・キストラー

アメリカンロマンスはその名の通り非常にアメリカ的な話が多いですね。すごい事件が起こるわけではなく、アメリカのどこかの町で起きている実際にありそうでなさそうなロマンスといったところでしょうか。
ジュリー・キストラーは弁護士さんだったそうです。ロマンス小説作家としては結構異色ですね。

ヒロインはN・Yの広告代理店で働いている。大学を卒業直前、同い年の幼馴染だったヒーローとの間に起こったことから逃げ出すように故郷を出てきて4年が過ぎた。一度も帰らずにいたヒロインの元にヒーローから初めてヒロインを挑発するような手紙が届く。怒ったヒロインは仕事で成功して成長した自分を見せ、過去のに決着をつけるためにも帰郷する事を決める。空港まで迎えに来たヒーローは以前より男らしくなったヒーローに戸惑う。一方ヒーローは一向に帰ってこないでいるヒロインに痺れを切らしていた。ヒーローは子供の頃からいずれヒロインと結ばれるのだと決めていて、今回の帰郷でヒロインに気持ちをむけさせることを計画していた。

幼馴染ものって数はあまりないですが結構人気のジャンルですよね、私も好きですwHQの場合ヒーローとヒロインに年の差がありすぎて幼馴染っていう設定が苦しい場合も多々ありますが。やはり年の差があっても5歳以内くらいじゃないと、幼馴染とはいえないでしょう。その点今回は同級生・ご近所さんと王道を行く設定ですw
タイトルにある7月のクリスマスというのはイベント好きで実際そういうことを仕事にしているヒロイン母が考えたヒロイン一家オリジナルの行事で、その名の通り7月にクリスマスを祝います。ヒロインはこのイベントの少し前に帰郷します。
ヒロインは5人姉妹。アレックス、マギー、ヒロイン(キット)、ジョー、エリザの五人で、マギーとジョーはスピンオフでヒロインとなっています。両親は離婚、母親が姉妹を育てました。ヒロインを除いてみな赤毛のヒロイン姉妹は美人ぞろいで有名。
4年前ヒロインは自分だけが父親譲りの金髪であることで疎外感を抱いていた上、当時のボーイフレンドが有名な赤毛のヒロイン姉妹とデートしたいと言ったためぶちきれてヒーローの元へ行き彼に抱いてほしいと頼みます。ヒロインに惚れていたヒーローは拒否。頼みの綱のヒーローにまで拒絶されたと思ったヒロインはそのまま町から出てN・Yへ行ってしまいます。
幼馴染ものとしてはすごくよく出来ています。子供の頃のエピソードも豊富だし、豚の貯金箱はリアリティと微笑ましさがあります。何よりヒーローが自分の気持ちをわかった上でヒロインを口説こうと頑張っている姿は大変よろしい。二人のロマンスだけなら、幼馴染者の隠れた名作ですっていえるんです。でもトータルで見るとちょっと気になることが。
ヒロインはもともと過干渉気味な自分の家族に辟易していたのですが、たしかにかなりうるさい。やたらと家族だの血縁だのを強調してヒロインに家に戻ることを提案してきます。5人もいたら一人や二人出て行くのは普通のことだと思うんですけどね。とはいえ所詮家族は外野だからまだいいんですが、ヒーローがどうもこのヒロイン一家と一体化しちゃってるのがいただけない。ヒロインを故郷に留めるという目的が一緒何だから当然といえば当然なんですが、なんかヒロインが孤立無援に見えてしまう。
ヒーローも含めてみな、ヒロインがN・Yでどんなことをしているのかとか、あまり尋ねたりしないんですよね。ヒロインはいきなり出て行ったのに、それなりに成功しているんだから、もうちょっとそういうことを認めてやってもいいのでは??自分たちの関係ないところでヒロインが何をしていようとどうでもいいってこと??
ヒーロー一人がヒロインに留まってほしいと行動を起こすならいいんですけど、家族総出でそんな感じだと、ヒロインが反発するのも無理はないでしょう。実際ヒーローもヒロインの気性を飲み込んでいるから操ろうとするところが無きにしも非ずだし。ヒロインはちょっと子供っぽいところはあるんですが、反発したくなる気持ちは十分理解できるんです。
あとヒーロー、ヒロインのことが子供の頃から好きだったというのに、学生時代なんで何もしないで他の女の子とデートばっかりしてたわけ??納得いかんなー。そんなんでヒロインがいずれ振り向いてくれると思ってたの??ヒロインにそれを突っ込まれると「だからどうなの?」ときたもんだ。二人とも26,7才ですからね、清いお付き合いwだけだったってわけではなさそうだなー。
結論としては、ロマンス小説では都会は田舎に勝てないし、ましてや故郷に対してはまったく無力なのです。

ヒーローメロメロ度85