月の光とセレナーデ  シャロン・ブロンドス

  月の光とセレナーデ(S−281)  シャロン・ブロンドス


これも古本屋で見つけて即購入しました。古本て、新刊以上に出会いですよね。最近はいろいろ再販もありますが、やはりある程度ネームバリューのある作家以外はないですからね。


ヒロインは医者。大学時代の奨学金を免除してもらうためにワイオミング州の片田舎の町で3年間、診療所に勤務することにした。まるで西部劇にタイプスリップしたかのような田舎町ではやはり保守的な思考なのか、町の保安官・ヒーローはヒロインの能力に疑問符をつけ、彼女の着任に反対票を投じたのだった。それを聞いたこともあり、ヒロインは着任後もヒーローとは距離を置いていたが、留置所でけが人を見るために保安官事務所へ赴いた。ふたりは始めてまともな会話を交わし、お互い惹かれあうが、ヒーローはかつて結婚に失敗して現在は一人息子と実母の3人暮らし、ヒロインは3年後にはここを離れる予定だった。


えらくロマンチックなタイトルとは裏腹に結構汚い犯罪行為が登場する作品でした。しかもその発端はヒーロー曽祖父というなんとも気の長い話です。
ヒーロー曽祖父は大泥棒で家族を捨てたといわれていて、ヒーロー一家はいまだにそのことを気にしています。そんなこと気にしてもしょうがないだろうと傍目には思いますが、なまじ狭い世界にいるせいでしょうかね。私は曽祖父なんて名前も知らないや・・・。
ヒーローは学生時代に父親が他界、進学をあきらめ警察学校に行きました。ひそかに勉強を続けており、曽祖父の足跡を取り付かれたように調べているという一面があります。一方ヒロインはインテリな大学教授の両親を持ち、彼らのポリシーを叩き込まれて育ちました。このヒロイン両親が鼻持ちならないスノッブでねぇ。そしてヒロインもすごく影響を受けているのがなんともかんとも・・・。
ヒーロー母は一見か弱そうに見えて、実はすごくしっかりした人なのかも。息子のぞんざいな態度にちゃんと対抗できるようになっていましたね。ヒーロー息子はすごく大人びて、父親の恋愛にも本人以上に理解がありますw
パラノーマルというほどではないのですが、ヒーローの知り合いで昔から森にすむ呪術師が出てきたり、ヒロインがまるで西部時代にタイムスリップしたかのように感じたりと随所に超常現象的な要素があります。
ロマンス的には3年たったらここを去るつもりのヒロインと代々ここで暮らしてきたヒーローの葛藤に田舎町の少し変わった暮らしが加わって進みます。両親の影響があるのか、ヒロインはちょっとかたくなかなー。ヒロインに失礼なことを言ったヒーローが謝罪のためにヒロインの家の窓の下でギター片手に歌うシーンはなかなか素敵です。それまでのヒーローはそんなこと絶対しそうにないタイプに見えたのにw景気付けに一杯引っ掛けてきたそうですがwこういう意外性に女性はぐっと来るよなー。
終盤はサスペンスタッチな盛り上がりを見せます。ヒーローよりヒーロー息子のほうが活躍してたような気が・・・。
最後のヒロイン両親の変わり身の早さにうんざりしました。ヒロインはもう一度自分の両親を見直したほうがいいぞー。
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シーザーに恋して  グレンダ・サンズ

  シーザーに恋して(L−357)  グレンダ・サンズ


久々にグレンダ作品。古本屋で見つけ即購入wニヤニヤしながら帰りました。もういい加減本を置いておく場所がないんですけどねぇ。


ヒロインは名家の令嬢として育ったが、自分の力で成功しようと広告代理店を起こして奮闘中。しかし、ようやくもらった大手文具メーカーの展示会に来てもらうはずのモデルが来られないという。代わりのモデルも見つからなかったヒロインは、職業相談所に向かい、そこで並んでいる人の中から理想の男性を見つける。その男性・ヒーローはエンジニアとして活躍していたが社長の息子と対立しクビになったのだった。ヒロインは展示会では男性モデルにシーザーに扮してもらう予定だった。ヒーローはヒロインに提示された仕事に面食らったが、ヒロインに惹かれたこともあり結局受けることにした。


ヒーローがシーザーにぴったりということでてっきり薄毛なのかと思ったら、残念?ながらふさふさでした。新たな薄毛ヒーロー発見かと意気込んだのに・・・>何を期待してるのやら
ヒーローは一目惚れしたヒロインのために、シーザーの仮装をしてせっせと鉛筆削りの宣伝をしています。鉛筆削りってところに時代を感じますね。当初は一回限りということだったのですが、魅力的なシーザーが女性陣に大好評でもう一度ということになります。ヒーローは見世物になるのはいやなのですが、惚れた弱みでヒロインを助けるために受けてくれます。
かたくなで臆病なヒロインをひたすらヒーローが熱愛してくれるという、うらやましい話です。ヒーロー自身失業中でつらいところなんですが、ヒロインを思いやってくれるのよねー。さすがグレンダ・ヒーロー。尽くす男が様になってます。
ヒロインの過去は確かに当時は大ショックだったでしょうが、もう大人になったんだし、せっかく素敵なヒーローが求愛してくれているのだからもういいじゃーんって思ってしまいました。でも、過去の失恋もさることながら、若いころ男の子達に性的にからかわれたことが結構重く残っているのかな??そういう経験て自分でも気付かないような根源的な男性不信の元になっているのかも。それでも最後にはヒロインから動いてくれてよかったです。
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仮面の妖精  スーザン・フォックス

  仮面の妖精(I−1192)  スーザン・フォックス


スーザン・フォックスにはバカチン傲慢ヒーローと、まともな世話焼きヒーローがいますがこの作品は後者です。というか私がレビューするは後者のみでしょうw


ヒロインはハリウッドの有名な俳優夫婦の養女。体面のためだけにヒロインを養子にし、関心も愛情も注いでくれなかった養親に対してヒロインは名前を変えるなどして距離を置いていた。実の母親が牧場に住んでいるとヒロインは子供のころ聞きおよび、以来夏休みは各地の牧場を渡り歩いた。ようやく実母を探し当てたものの、すでに亡くなっていた。しかし、妹と弟そして実父らしき人物は今も健在だった。ヒロインは彼らに近づくべく、彼らの働く牧場の権利の3分の一を牧場主の元妻から買った。
牧場主・ヒーローは女優志願の元妻と結婚したものの関係はすぐに破綻し離婚。財産分与で牧場の権利まで奪われたことに今も腹を立てていた。その権利が第3者に売り渡された挙句、買主が牧場で暮らすつもりでやってくることになったのだ。ハリウッドからやってくるその女性・ヒロインに対して、ヒーローは偏見まみれの怒りを抱いて無礼な態度をとるが、次第に彼女に惹かれて行き、彼女の明るさの裏側には何かあるのではと考える。


スーザン・フォックスのヒロインて、本当に自己評価が低いですよね。このヒロインなんてほとんど自虐的といっていいくらいです。生みの親に捨てられ、養親からも愛されなかったことが原因なんでしょうけど。
ヒーローは最初こそヒロインに偏見と八つ当たりで冷たくしますが、可憐で牧場にも慣れた様子のヒロインにすぐに惹かれて行きます。一方ヒロインも牧場大好きで、いかにも牧場主というヒーローに一目惚れ状態。このふたり、大して一緒にいるわけでもないのに、なーぜーか相手の隠された美徳がわかってしまうのです。そんな時は勘がいいのに、恋愛方面にはまるで勘が働かないのはお約束w
話全体としては、ヒロインの家族探し、実の弟妹との交流、過去の誤解による父親との行き違い、さらにはヒロインの養親の暴露本が出ることなど、ちょっとてんこ盛り過ぎて肝心のロマンスに集中できん!!養親は名前だけで出てこないので、暴露本の話とかいらなくないかー??
なんとなく気になったのは、ヒーローはヒロインに対してやさしいのですが、少し偉そうに説教するんだよねー。不安定な人生を送ってきたヒロインと、つまらない女に引っかかったことが人生最大の挫折というヒーローとじゃまるで状況が違うだろーと言いたい。
ヒロイン父もね、結果として捨てた娘に何を期待してたんだろう??手紙は捏造でしたが、こちらの思い通りの反応しなかったからといって腹を立てる筋合いでもないでしょう。
たとえお金持ちであっても、やっぱりフォックス・ヒロインはどこか薄幸なイメージですね。
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ガラスの城 レイ・マイケルズ

  ガラスの城(I−436)  レイ・マイケルズ


すっかり更新が滞っている6月です。後半はもうちょっと何とか・・・。


ヒロインは銀行を経営する父親の一人娘として何不自由なく育てられた。学生時代に出会った法学部の学生だったヒーローと恋に落ち結婚するが、甘やかされたヒロインと働いて学費を貯めていたヒーローとでは生活も価値観も違いすぎ、ヒロインの流産を機に別居する。ヒロインはヒーローの秘書から彼の目的がヒロイン父の銀行であり、浮気していると聞いていたのだった。それから2年、ヒロインは父親の銀行で仕事一筋に励んできた。ヒロインは離婚を決意しヒーローに申し出るが、ヒーローは離婚の条件として州の役職につくためによい夫婦の振りをするよういってきた。


壊れかけた夫婦の再生もの。離婚はしていませんが、そもそもの結婚生活がスカスカだったため、一からやり直しという感じですね。
ヒロインは母親のいない一人娘ということもあって父親にずいぶんと甘やかされています。自分とはまるで違う苦労人のヒーローに惹かれて結婚したものの、すぐに彼を軽んじるようになります。ひどいですよー。結婚披露のパーティでヒーローが用意した結婚指輪を平凡すぎるとつけず、父親がくれたゴージャスな指輪をつけてしまうという暴挙をしでかしています。ヒロインいわく、私たちの問題の些細な一部だそうです。私ならその場で離婚を申し出るぞー。
たぶん一事が万事この調子だったのでしょう。そんなお子ちゃまヒロインは妊娠すると今度はそれに夢中になりますが、あえなく流産。そこへヒーロー秘書の讒言が決定打となり別居します。ヒーローはよくそこまで耐えたね。
レイ・マイケルズのヒロインてもっと独立心の旺盛なタイプが定番だよなー、と思っていたらこの作品は原書は1986年、邦訳は1988年に出たものを1996年に再版したものでした。装丁がリクエストなどではなく、普通のイマージュ仕様だったので確かめるまで気付きませんでした。レイのヒロインも初期は「大人になるまで」のヒロインなど、甘ったれタイプもいたんですよねー。
ヒーローのほうはすでに原型ができていて、ちゃんと大人で頭もよく、ヒロインを愛しているんだけど素直じゃないし、小意地が悪いwまあ、今回は以前のヒロインがひどすぎたからヒーローが用心深くなるのも無理はないかな。
甘やかされた我侭お嬢様が、痛みを知って人との付き合い方を学んでいくお話でした。
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陽だまりのふたり  キャサリン・アンダーソン

  陽だまりのふたり  キャサリン・アンダーソン  二見書房


コールター一家シリーズ第3弾なんですが、相変わらず順番はばらばらで出版されています。何でこんな中途半端な出し方なのでしょう。
今回は「あなたに会えたから」のヒーロー・アイザイアの双子の兄タッカーがヒーローとなって登場します。アンダーソン作品は障害のある主人公というのが大きな特徴となっていますが、今回の作品では主人公ふたりにそうした問題はありません。さすがに兄弟全員が障害を持っているかあるいは相手が障害者という設定は現実的じゃないですからね。


ヒロインは地元でも有名な牧場主を父に持ち、自身も牧場を経営している。ヒロインの馬も出場しているロデオの大会で、ヒロインは酔っ払って馬を虐待している男を見つける。すぐにやめるよう男に注意したが男は聞き入れず、ヒロインに殴りかかってきた。騒ぎを聞きつけた獣医のヒーローがヒロインを庇うが、殴り合いの喧嘩になった。やってきた警察にふたりも逮捕されてしまうが、疑いはすぐに晴れ釈放された。小さな体で躊躇せずに男に向かっていったヒロインにヒーローは惹かれるが、悲惨な結婚生活の末に離婚したヒロインはヒーローの誘いを断った。
ヒロインの飼育する馬が突然体調を崩すということが続き、ヒロインはヒーローに診察を要請した。ヒーローは馬に何らかの薬物が投与されたことを疑う。検査の結果それは裏付けられた。ヒロインは前夫の犯行を疑った。


今回のテーマは、障害ではなく、馬ですかね。ヒロインの馬への愛が作中ずっと語られています。そしてもうひとつはDVの被害からの回復でしょう。
ヒロインには過保護な父親と同じように過保護なおかつ無神経な兄4人がずらりと揃っています。正直この手の過保護な兄って苦手なんですよねー。父親ならまだ耐えられるんですが・・・。ヒロインは無神経な兄たちに一度はっきり言ったほうがいいと思います。父はまだ自覚があるけど、長男は全然ないよね。4人は全員独身でこの後スピンオフが待っているとのことですが、長男の無神経全開ぶりからすると前途多難な恋路なのではと勝手に想像しています。
ヒロインの前夫はカウボーイで牧場主として成功したヒロイン父の財産を当て込んでヒロインと結婚し、浮気に暴力を重ねた挙句、離婚の際はヒロインの財産を分捕っています。州法にもよるのでしょうが、離婚の際、浮気や暴力に対して慰謝料とかもらえないの??相手に著しい過失があっても財産は半分渡さなければいけないの??ヒロインはどうも離婚の際あまり家庭事情を明かさなかったようですが。ロマンス小説だと、主人公が捨てられる際の慰謝料は相手が金持ちでもたいしたことない額なのに、取られる場合は多額ですよね。法律どうなってるー?!
ヒーローは兄弟皆が幸せな家庭を築いていることで、ちょっぴり焦りを感じながら自分の運命の相手はどこかと捜索中。ヒロインに対してはほとんど一目惚れでぞっこんです。(ぞっこんってもしかして死語?)作中本当に誠実に困難な状況にあるヒロインを支え続けます。ただ気になるんですけど、何でロマンスのヒーローって関係を持った女の顔や名前すらも覚えていないような遊び人ばかりなの??現実に素人でそんな男だったら引きまくりですよ。散々いい加減に遊んで飽きたところで素敵なヒロインと出会ってハッピーエンドって毎度のことなのになんかどうしても納得いかないのです。ヒーローが遊び歩いてきた女性たちはみなヒーローに都合よく一夜だけのお付き合いを望むタイプだったのかー??ロマンスとしては生涯に一度の真実の愛を謳いあげたいのでしょうが、そのためにそれ以前の恋愛関係がものすごく適当に処理されていることが問題なのかも。
最近の作品にしては珍しく、HOTな描写が少ないし、そもそも出てくるのが遅いです。ヒロインが恋愛に引き気味ということもありますが、それ以上に敬虔なカトリック教徒であるためです。婚前交渉にこんなに悩むカップルって最近ではヒストリカルでも珍しいくらいです。最初はヒロインが気にしていたのですが、そのうちヒーローのほうが真剣に考えるようになっていくのがおかしいw自分で自分の首を絞めているのです。
馬とヒロインの関係がとても印象的なだけに、馬のことが悲しいです。犯人に本当に腹が立ちます。
犯人を除けば主要人物は皆いい人揃いで、主人公カップルもお似合いで気持ちのよい物語でした。笑ったのはヒーローの双子の弟ですね。「あなたに会えたから」ではヒーローが弟に障害のある女性と付き合うことに対して反対してるのに対して、今回は弟のほうがヒーローに対して疑惑にさらされているヒロインと付き合うことを注意してます。行動パターンが実は同じなのかもw
女の意地悪目線かもしれませんが、白人で29歳の生粋のカウガールヒロインがしみひとつないお肌を維持してるとは思えないなぁ。ていうか、本当に決まり文句ですよね。しみひとつないとか、陶器のようになめらかな肌とか。真実の愛を見つけるはずのロマンス小説ですが、ものすごく見た目にこだわっているよなーと毎回思ってしまいますw
次はどの話が翻訳されるのでしょうか。今回さらにスピンオフとしてハリガン家の兄弟も追加されていますし。最初から最後まで出版してくれるとよいのですが。
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